老婆の背中


題名 :老婆の背中 日付 :1995/5月ごろ? 時間 :8時15分ごろ 被験者:YAMA 天候 :快晴 場所 :群馬県太田市国道122号線 乗車種:ブリジストンのMTB 被害 :体あちこち、制服、チャリンコのベル。 内容 : プロローグ  もう1ヶ月以上バイクに乗っていない。もちろん乗るべきバイク がことごとく盗難、事故となっているからだ。そんなこんなで自転 車に乗る機会が増えた。しかし1週間でパンクした…。  自分の愛車(チャリンコ)を眺めてみると結構傷もついて、良い 感じにぼろぼろになっている。タイヤもワイヤーが見えたり、側面 がバーストっぽくなっていたりと大変なことになっている。  ちなみにこのチャリ、約30000キロ以上走っているのだ! 結構キテルよね。初めてジャックナイフで一回転したのもこのチャ リだったな。 プロローグ終了  ってことで今回はチャリで一回転した時のことについて書いてみ ます。  私は中学校、高校と自転車通学をしていました。中学校は約2. 5kmと比較的近く問題はありませんでした。しかし、私の通って いた高校は家から結構遠く、片道12kmありました。当時バイク なんていう便利なものを知らなかった私は毎日マウンテンバイクで とうこうしていました。  さらに、朝に滅法弱い私はいつもぎりぎりまで寝てしまいます。 朝、学校のホームルームは8:30から始まるのですが、なれたこ ろには私は家を8:00に出るという偉業を成し遂げることができ ました。  30分で12キロって結構すごいよね。平均時速24キロだもん…。  それでも朝の自転車通学はとっても楽しかったです。クラスメイ トのお母さんの車に引かれそうになるとか、余所見をしていて田ん ぼに落ちそうになるとか。農耕者優先道路という信号のない道路を とおっていっていたわけですが、なぜかそこに桜並木があって春は 最高だったりとか。そうそう、歩いて通学している女友達の頭を追 い抜きざまにぶったたくという、いまやボーイ○・ビーでもないよ うなめちゃめちゃな青春ヤローをかましてましたね。「むかつくか らヤメテ」といわれて2度とやらなくなりましたけど。  んで高校2年の時にその事件はおこりました。いつものように農 道をかなりの勢いで飛ばし、国道122に合流しました。ここは歩 道が結構広く、脇には田んぼ&畑が広がっているためわき道もたく さん出ています。  そこを恐らく時速25キロ以上(かなり全開)で走行中、右側の 畑道から乳母車(のような荷物入れ)を押したおばあちゃんが近づ いてきました。歩道は結構大きいのでおばあちゃんは左右を見なが ら一時停止して安全を確認しています。  そして何を思ったのかそろそろと出てくるじゃありませんか!! 「なんでよ!なんでなの?俺が全開で突っ込んでるじゃん!!」 おばあちゃんはそんなことも気にせず、ゆっくりゆっくり歩道に現 れました。 「くっそ〜、これ絶対ひくって。」 と思いつつもフルブレーキング開始…。  おばあちゃんしっかり一時停止…。 「え?…。」 と思いつつもおばあちゃんの前を通り過ぎるとき、私の真横に立つ おばあちゃんと目があいました。…ジャックナイフをしつつ。 半ば放心状態でフルブレーキを続ける私には自分の状態が理解でき ませんでした。そう、ブレーキを緩めることもできず、まえに転が ることだけがこのとき私に残された道だったのです。 「がっしゃ〜ん。ごろごろごろ。」 思いっきり一回転して背中から地面にたたきつけられた私は、おば あちゃんに文句を言おうと振り返りました。  そこにはなぜか何もなかったように私に背中を向け乳母車を押す 老婆の背中が…。  その背中が妙に寂しそうでなにも言えませんでした。 そんなこんなで結局あせってブレーキをかけた私がジャックナイフ で一回転する。っていう単発な自爆事故ってことになってしまいま した。 私は曲がった前輪を治し、ひざげりをくれたベルを直し走りはじめ ました。 その事故で私のちゃりんこのベルは 「ち〜ん」という音から「カツッ」 という音にかわってしまったわけですが、このベルを鳴らすたびに あのおばあちゃんの寂しいい背中を思い出します。 教訓 : 1.急ブレーキはジャックナイフするとおもってコントロールしよ   う! 2.飛び出しならぬ、ゆっくり出にも要注意っス。 3.気に入っている女の子のあたまをたたいても気は引けないゾ。   (T_T)
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