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上達のために


写真は光で描く芸術です。いつでも自分の好みにしたがって大いに作画を楽しむべきでしょう。

自分の好みに写真を近づけるアドバイスには十分耳を傾ける必要がありますが、好みに合わない意見は、丁寧に良く聞くが実践はしなくてもかまいません。ただ、いつでもアドバイザーには礼儀を尽くしてください。経験を積んでいくうちに、彼らの言い分、気持ちもわかるようになっていきます。

また、初心者は得てして望遠効果を好みがちですが、これも素直に受け入れればよいでしょう。この段階で広角好きの玄人の意見に耳を傾けたり、背伸びをしてしまうと初心者のうちに得られる望遠ならではの表現手法や失敗経験を逃して、結局上達へ遠回りしてしまうことがあります。


カメラやレンズには取り付かれるような魅力があります。自分の写真の幅を広げ、その描画を直接変えてくれるわけですからその魅力も当然といえます。

しかしながら、写真はカメラやレンズだけで撮影できるものではありません。

総合的な出費は撮影を快適にするアクセサリー購入費、衣類などの装備費、旅費・交通費、書籍代など多岐にわたります。あなたの求める1枚を確実に手にするためにも投資はバランスよく行うべきでしょう。

特にご家族のいる方は、おおよそ機材代の等倍、または半分程度を家族サービスに割り当てると良いでしょう。また、機材代金を半分に抑え、残りの半分を旅費に使うのもおすすめです。


写真に関する昔からの格言に、「レンズを買うならフィルムを買え。」という言葉があります。この言葉はデジタルカメラ時代になって、やや直接的ではありませんが、その本質は今の時代でも十分通用します。

「レンズばかり買って、写真を撮らないような人に上達の道はない」との教えとして、心しておく必要があります。

目安としては1本のレンズで傑作50枚を目指しましょう。また一度購入したレンズは最低1年、できれば2年は手元に置いて利用することをお勧めします。数ヶ月で手放すようなレンズを購入する場合は得てして事前の調査が不足しているか、レンズ選択そのものを深く考え直す必要があります。

また、同様の格言として「所有カメラの台数と写真の良し悪しは相反する。」という言葉もあります。そういわれないようにお互い気をつけましょう。


「レンズ沼」という言葉が広く使われているように、写真をはじめると次々とレンズがほしくなり、気が付くと手元にレンズがごろごろしてしまいがちです。

手元に多くのレンズがあっても弊害がなければ問題ないのですが、現実は以下のようないくつかの弊害を伴います。

・1つの機材の使いこなしが甘く、機材の性能、表現能力を引き出しきれない。
・持ち出し機材が膨れ上がり、フットワークに影響が出る。
・機材選択で右往左往し、作画に集中できない。また、機材選択を現場で後悔する。
・本来目的であるはずの作品撮影から離れ、機材性能の評価にうつつをぬかすことになる。
・機材で人を見るようになる。

ただ、レンズ交換式一眼レフカメラを利用する以上、レンズ交換は最大のメリットで、これを否定することはありえません。
上記の弊害が出ないように、自分でレンズ購入をコントロールしてください。

目安として経験1年目で3〜5本、2年目で5〜8本、それ以降は10本程度のラインナップでシステムを構成するのが良いようです。また、3ヶ月ごとに1本、などの購入計画を立てるのも一案です。


デジタルカメラで撮影した写真をパソコン上で扱うとどうしても等倍鑑賞をしがちです。

等倍鑑賞(等倍表示)は、撮影したデータのピクセル数とパソコン上の表示ピクセル数をあわせるように100%で表示した場合で、これはプリントで言えばA2サイズ相当に当たります。対して、画面に全体が収まるように縮小して表示することをフィット鑑賞(フィット表示)といいます。

通常、35mmフィルム一眼レフでA2に伸ばしてもピントやブレが気にならない写真を撮るためには相当の機材と腕、カメラと写真に関する知識を要します。

上達のためには自分の写真の細かい部分を評価することも必要ですが、初心者のうちは全体の構図や配色、絞りの作用や大きなブレやピンぼけを判断、評価するほうが重要です。

そのために、フィット表示で問題なければ基本的に問題ないとしてあれこれ悩まず、次の被写体、課題に取り組んだほうが早く上達することができます。

特に機材を調整に出すと通常2週間程度、長い場合は1ヶ月以上その機材を使うことができません。その間に撮れる写真の枚数を考えると、細かいことは気にせずにどんどん使いこなしや表現手法を学んだほうが懸命です。どうしても気になる場合は保証期限にまだ余裕のある半年後に調整に出せばよいでしょう。